顎矯正手術 下顎前突(受け口)整形手術下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
手術後の経過・ケア
手術当日
手術後は1泊入院していただき、病室にてゆっくりお休みいただきます。手術直後より、シーネとゴムにて顎間固定を行い咬合の安定を図ります。
術後の来院
3日目:咬合のチェックを行います。
7日目:咬合チェック、口腔内清掃を行います。
14日目:創部の抜糸を行います。
いったん顎間固定を解除して、口腔内を丹念に清掃します。咬合状態はかなり安定した状態です。再度、顎間固定(ゴム掛け)を行います。以後1週間~2週間毎に来院していただき、咬合状態をみていきます。
口腔内の衛生について
食事の後は、うがい薬(POIC WATER)で30秒うがいし、ブラッシングをして、口腔内の清潔を保ってください。POIC WATERは、強力な殺菌作用がありますので、顎間固定中の口腔内衛生には最適のうがい薬です。歯磨きに関しては、OPE後専用の歯ブラシで、傷にあたらないように行ってください。
顎間ゴム牽引について
IVROによる外科的矯正治療において、良好な咬合状態と顎機能の安定を得るカギは、術後の顎間ゴム(トレーニングエラスティック)などの後療法にあります。手術当日より顎間ゴム牽引にて咬合の安定を計ります。
顎間ゴム牽引は、上下数ヶ所の歯(ボタン)と歯槽骨に打ち込んだスクリュー(IMFscrew)とで、垂直方向のエラスティック(直径8mm、6オンスもしくは4オンス)で行います。顎間ゴム牽引ですが、はじめの1.5ヶ月間は終日、続く1.5ヶ月間は夜間のみ継続してもらいます。1週間に一度通院していただき、咬合状態をチェックさせていただきます。
開口訓練は、最初は食事の前後に自力開口による開口訓練のみとしますが、より積極的に開口訓練を開始します。
流動食に関して
手術後1ヶ月間は流動食で栄養管理します。クリニックで処方(エンシュアなど)することが可能です。体重減少に注意ください。食事の後は必ずお渡しするうがい薬で口腔内の清潔を保ってください。
手術後1ヶ月経過しますと、離断した骨も癒合してきて、咬合はかなり安定しております。食事のときにはゴムを外してもらい、普通食を召し上がっていただきます。手術後1ヶ月半を経過しましたら、顎間固定は夜間のみの装着となります。
一般的な術後経過
術後の腫脹
おおまかな腫れは2週間程度(術前と同じぐらいに戻るという意味)です。厳密な意味での完成(むくみが完全に消失)は3~6ヶ月を要します。術後2週間はご自宅でフェイスバンテージによる圧迫を指導しています。
下口唇、オトガイの知覚鈍麻
IVROにおいて下顎枝の裏側を剥離する際に、下顎孔付近で下歯槽神経を伸展する際に神経症状が出ることもあります。程度に関しては個人差があります。下口唇の感覚が鈍いという方もいれば、ピリピリ感があるという方もおります。通常は2週間~1ヶ月ほどで回復します。