顎矯正手術 上顎前突(出っ歯)の手術

上顎前突(出っ歯)

上顎前突症とは、いわゆる“出っ歯”のことです。医学的に言いますと、「上・下顎の前歯切縁の水平的被蓋距離=オーバージェットが正常より大きく、上唇部または中顔面の前突感の強いもの」の総称です。

上顎前突(出っ歯)の治療法

上顎前歯部分節骨切り術

顔貌の特徴

通常は上顎左右の第一小臼歯を抜歯して、出っ歯の原因である前歯部の3~3番の歯と歯槽骨を後退させます。臼歯部(奥歯)の噛みあわせは手術前後で変化はありません。早期に平常の食生活に戻ることができます。

LeFort1型骨切り術

LeFort1 型骨切り術

上顎歯列弓全体を後退させます。上下の歯列弓は大きく変化しますので、通常は単独手術でおこなうことは少なく、下顎矢状分割術などの手術を併用して、咬合変化に対応させます。

顔貌の特徴

  1. 側貌において中顔面部の突出、上顎前歯および上唇の突出、
  2. 口裂閉鎖困難(口が閉じにくい)

などがみられます。

顔貌の特徴

この場合には開咬症を呈することが多いのですが、症例によってはオーバーバイトが高度で、過蓋咬合を呈することもあります。

その他の特徴としては、

  • Angle II級咬合関係を示すことが多い
  • スピー彎曲が強い
  • 上顎はV字型歯列弓を呈することが多い
  • 下顎枝が短く下顎骨が頭蓋に対して遠心回転しており、下顎下縁の傾斜が強い

などの所見を呈します。

Angleの不正咬合の分類法

Angleの不正咬合の分類法

上顎前突

Angle II級1類,2類が含まれており、「正常な上顎歯列弓に対して下顎歯列弓が遠心に咬合するもの」としています。I級でも上顎前歯の唇側転位のあるものや、下顎前歯の舌側転位のあるものも含まれます。

上顎前突症(出っ歯)

上顎前突症の臨床的特徴を要因別に説明します。

異常を示す部位により

1. 歯槽性上顎前突症

1. 歯槽性上顎前突症

2. 骨格性上顎前突症

2. 骨格性上顎前突症

の2つに大別されます。更に骨格性は、

  1. 上顎の前後的な拡大、
  2. 上顎の横方向の拡大に上顎前突症の合併、
  3. 上顎の縦方向(垂直的)拡大に上顎前突症の合併

などに分けられます。

歯槽性上顎前突症

上顎前歯の唇側傾斜、上唇の翻転、それに伴う口裂閉鎖困難があり、鼻唇角は急峻となります。鼻翼基部では鼻の狭窄と傍鼻翼基部の相対的な隆起がみられます。上顎歯列弓がV字型を呈し、上顎切歯歯軸傾斜およびANBは増大し、Angle II級1類を呈することが多く、2類のこともあります。

骨格性上顎前突症

前後的な上顎の拡大を主症状とするもの

通常、歯槽部も拡大し鼻の基部が突出し、顔面突出部度convexityが増します。Let Fort I型骨切り術による後方移動をおこなうか、歯槽部レベルでの後方移動を行います。

横方向の上顎の拡大を主症状とするもの

歯槽部分が外側に位置し、歯間空隙が生じることも多い。上下顎の咬合関係は不良となり、下顎歯列弓は上顎歯列弓の内側に位置するようになります。この場合は、咬合上の問題以外には障害は比較的少なく、顎矯正手術により結果は良好です。

縦方向の上顎の拡大を主症状とするもの

垂直的上顎過長vertical maxillary excess (VME) とよばれています。いわゆる顔の面長症候群は下顎角が大きく、短小な下顎の症例と上顎歯槽部の拡大の症例を含んでいます。垂直的な全上顎骨短縮術であるLe Fort I型骨切り術の適応とされており、相対的な下顎前突症のことが多いのです。

出っ歯(上顎分節骨切り):症例写真

  • 出っ歯(上顎分節骨切り)