顎矯正手術 上顎前突(出っ歯)の手術上顎ルフォー1型骨切り術(Lefort-1)

ルフォーI型骨切り術

ルフォーI型骨切り術は1927年にWassmundによってはじめて報告され、その後ObwegeserやBellらにより改良され、現在のように顎矯正手術として確立されました。

ルフォーI型骨切り術の適応症

ルフォーI型骨切り術は上顎前突症以外にも、上顎後退症、中顔面の陥凹を伴う骨の左右非対称症例、水平的に咬合平面の傾斜を伴う症例、上顎骨の左右非対称症例、垂直的に過成長のみられる症例(Gummy Smile)、開咬症などに適応されます。ルフォーI型骨切り術が単独で適応される症例は少なく、下顎枝矢状分割術や下顎枝垂直骨切り術などを同時併用する上下顎同時移動術(two jaw surgery)として行われることが多いのです。

上顎を後退できる距離は症例によって異なりますが、第2大臼歯から翼突上顎縫合部までの距離、すなわち上顎結節の範囲であれば無理なく移動できます。通常4mm程度とお考えください。たった4mmと言われる方もおりますが、5mm以上上顎を後退させた場合には逆に老人様顔貌となるため、美容的には慎重に考えなければなりません。

ルフォーI型骨切り術のための局所解剖

ルフォーI型骨切り術をおこなううえで

  1. 神経系:眼窩神経、後上歯槽枝、鼻口蓋神経、大口蓋神経
  2. 血管:下行口蓋動静脈、翼突筋静脈叢
  3. 筋肉:口角挙筋、上唇部の筋
  4. その他:頬脂肪体、耳下腺管開口部、耳下腺管

などの解剖学的位置関係を熟知しておく必要があります。

上顎骨の解剖

頬骨(Zygomatic bone)/上顎骨(Maxilla)/頬骨突起(Zygomatic process)/眼窩面(Orbital surface)/眼窩下孔(Infraorbital foramen)/前頭突起(Frontal process)/歯槽突起(Alveolar process)/前鼻棘(Anterior nasal spine)/鍋骨(Vomer)/下顎骨(Mandible)/切歯孔(Incisive fossa)/上顎骨口蓋突起(Palatine process of maxilla)/口蓋骨水平板(Horizontal plate of palatine bone)/大・小口蓋孔(Greater and lesser palatine foramina)

上顎骨は顔面頭蓋の中央を占める有対性の骨であり、左右が中央で結合して眼窩、鼻腔、骨口蓋、などの骨格に関与します。上顎骨はその主体をなす体とこれから突出する4種類の突起で構成されます。

上顎骨体は内部ががらんどうの三角柱をしており、4つの面が区別できます。

  1. 前面は顔の一部をなす面で、内側縁には鼻切痕が大きく切れ込んでいる。この面の上端近くには眼窩下孔があります。
  2. 上面は眼窩の下壁をなす三角形の平滑面で、前面とは眼窩下縁で境される。
  3. 外側面は側頭下窩の前内側壁を作り、その中央には歯槽孔という針で刺したような孔が2~3個開いている。
  4. 内側面は、鼻腔の外側壁を作る面で、分解骨ではその中央にハート型の大きな口が開いている。これが上顎洞裂孔で上顎洞の開口である。その前方を上下に走る浅い溝は鼻涙管の外側壁を作る。また上顎洞裂孔の後方をほぼ上下に走る溝は大口蓋管の壁の外側半を作る。

上顎洞の骨壁歯驚くほど薄い。上顎洞の底は上顎の大臼歯、小臼歯の歯根部の近くまで達し、歯根が洞内に突き抜けていることもまれではありません。

前頭突起は、上顎骨体から上方に突出する細い突起で、鼻骨と涙骨の間に挟まれて前頭骨に達する。この突起の後外側面を上下に走る溝は涙嚢窩の前半部を作る。

頬骨突起は、上顎骨体から外側方に向かう太く短い突出で、三角形の粗面で頬骨と連結する。

歯槽突起は上顎骨体から下方に突出する彎曲した堤防状の骨塊で,対側の上顎骨歯槽突起とともに上歯槽弓を作る。

口蓋突起は上顎骨体から内側方に水平に突出する棚状の骨板で、対側の口蓋突起とともに骨口蓋の前2/3を形成する。

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