顔面輪郭形成術最強の小顔手術・整形:MMR法の整形手術

最強の小顔手術:MMR法

MMRとは、Maximum Mandibular Reduction (MMR)の略であり、「最大限下顎骨縮小術」と訳されます。「できる限り!目いっぱい!小顔にしてください」という患者様からの要望は少なくありません。

通常では、頬骨、エラ、アゴ(オトガイ)などを組み合わせて行うことになります。顔面下1/3に関しては、オトガイ+エラでかなり小さくはなるのですが、下顎骨形態、下歯槽神経の走行位置によってはこれでも物足りない可能性はあります。また顔面全体の平面に対して、顔面の下側がなんとなく出ているような場合には大変効果を発揮します。私の行う究極の小顔手術MMR法では、下顎枝垂直骨切り術(IVRO)を基本として、5種類の整形手術のいくつかを組み合わせることになります。

MMR法=下顎枝垂直骨切り術(IVRO)+併用手術

下顎枝垂直骨切り法(IVRO)

下顎骨全体を後退させ、3次元的に縮小します。

併用手術

これらの手術をすべて組み合わせた場合には、最大限の小顔効果が得られます。(ただし必ずしも上記の整形手術をすべて行う必要があるとは限りません)

骨格の縮小手術

  1. 下顎角(エラ)切除術:下顎骨下縁
  2. 外板分割切除術:下顎骨体部
  3. オトガイ形成術:オトガイ(あご)が長い、突出している、幅広い場合には、オトガイ短縮術、後退術、狭小術などを併用

軟部組織の減量術

  1. 咬筋焼灼凝固(ラジオ波)法
  2. 頬脂肪体(buccal fat pad)切除術

上顎ルフォー(LeFort)Ⅰ型骨切り術の併用により小顔効果増大

上顎前突(出っ歯)の患者様では、上顎の後方移動術を併用することがあります。その際にはルフォー(LeFort)Ⅰ型骨切り術、上顎前歯部歯槽骨切り術のどちらかを適応します。正常咬合の患者様でも、できる限り小顔にしたいという理由で、下顎をできるだけ後退させたい場合には上顎後退術を併用すべきです。ただし上顎を後退させた場合には、審美的にすべてが美しく変化するわけではありません。

上顎を後退させすぎると術後に様々な審美的マイナスが出現します。何のために小顔手術をしたのか?美しくなる為?逆効果になることもすくなくありません。あくまで手術前に上顎が突出している方が手術の対象になります。術前の上口唇突出度・厚さ、鼻翼幅、鼻下長などを計測して、さらにセファロ分析などを行ったうえで総合的に判断する必要があります。

下顎枝垂直骨切り術(IVRO)とは?

下顎枝垂直骨切り術(IVRO)は、下顎を全体に後方に移動させる手術法であり、下顎前突症(受け口)の代表的な治療法です。本術式の特徴は以下になります。

  1. 小顔効果に関しては、下歯槽神経の走行位置による制限を受けない
  2. 歯槽部も後退させることにより顔面下3分の1を広範囲に縮小できる
  3. 下顎骨の厚みによる小顔効果の制限を受けない
  4. 正面からも側面からも頬部の面積がかなり小さくなる

下顎前突症(受け口)の改善手術としてではなく、顔面輪郭形成術としても、これらの制限を受けることがないため、大きな変化が得られる「3次元的下顎縮小術」です。術後にはオトガイ~エラにかけて下顎全体が小さな輪郭となります。

それでは本手術を受けて下顎が後退した場合には、自分のアゴの輪郭はどんな状態になるのか?まず鏡を見ながら徐々に口を開けてみてください。顎関節を支点に、開口していきますと、下顎骨は下に移動しながら、かつ後退します。口を開けば開くほど、下顎が小さくV字型に見えてきます。すなわち下顎骨が後退することにより、エラ~アゴにかけて下顎全体はすごく小さくなるのがおわかりでしょう。

なぜMMR法が考案されたのか?エラ、オトガイ手術における小顔効果の限界

  1. 下顎骨内を走行する下歯槽神経を損傷しない範囲で骨を小さくするため限界がある
  2. 歯槽骨(歯牙)の部位を小さくできないために、減量できる範囲が小さい
  3. 顔が大きい=下顎骨が厚いというわけではない

下記項目では、下顎骨を骨切りで切除する、バーなどで削るなどの手技ではおのずとその効果には限界があることを説明しております。

下歯槽神経の位置による限界

顔面の下1/3を小さくしたい場合に、一般的にはエラ、オトガイの切除手術が行われます。骨を削る、切除するなどの手技では、下顎骨の内部を走行する下歯槽神経の位置、深さにより手術効果に限界があります。その範囲内で最大の効果を求めるわけです。下顎骨の髄質内を下歯槽神経が走っているため、その外側(水平方向)、下側(垂直方向)に限定した範囲での減量術を行うということになります。勿論これだけでも大きな変化は得られます。

下歯槽神経が下顎骨の中の下方(尾側)、浅層を走行している患者様では、エラ、オトガイ手術ではそれ程の効果が得られないことになります。

神経が浅い人の3Dct模型手術前にCT撮影を行い、3次元模型を製作してエラ、オトガイ手術で効果が十分に得られるのかを検討する必要があります。

歯槽骨(歯牙)による限界

エラ、アゴ(オトガイ)による下顎骨・小顔手術では、歯牙の脱落など起こらないように、歯根から5mm以上離して、その下側の骨を小さくすることになります。

歯槽骨は削ることはできません。しかし実際に下顎の輪郭は、この歯槽部の形態によっても大きく影響を受けています。下顎骨全体が大きく、突出している場合には歯、歯槽部も顔の大きさを決定する重要な要素となります。

エラ、オトガイ手術での限界として歯槽部には手を付けられないことがあります。
この点に着目して、当院で行われる究極の小顔手術=MMR法では、歯槽部をも小さくして小顔効果を最大限のものにします。そのためには下顎枝垂直骨切り術は、非常に有効な治療法です。

下後骨の厚みによる限界

エラ、顎(オトガイ)などの小顔手術の効果は、骨の厚み(薄い場合は削れる骨は限られる)に大きく影響されます。顔は大きいのに、骨は薄い方は決して少なくありません。すなわち骨が厚い=顔が大きい、ということではありません。

顔が大きいので『思いっきり、できるだけ骨を削ってください』という患者様がいらっしゃいますが、骨の厚さと顔の大きさは必ずしも比例しませんので、骨が薄い場合には思いっきり削るとはいってもあまり削れません。統計的には顔が大きいという方では、“骨の厚さには関係なく、骨格が形態的に大きい”場合が多いのです。

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過去に行った小顔手術の再手術も可能です

過去にエラ、オトガイなどの手術を行っているが、正面顔でエラをもっと小さくしたい、横顔ではオトガイをもっと後退させたいなどの要望をされることもあります。その際にはIVROなどの下顎骨後退術は大きな武器となります。そこで次に骨の厚さ、神経の走行とは関係なく、歯、歯槽部も小さく減量でき、確実に効果をもたらす究極の小顔整形手術をご紹介してまいります。

下顎骨は何mm後退させられるのか?

小顔効果をできる限り出したい場合には、できるだけ下顎骨全体を後方移動させたいのですが、残念ながらどこまでも後退させられるというわけではありません。奥歯(臼歯)の噛み合わせ状況で移動の上限が決定します。すなわち噛み合わせ(機能面)を考えますと、自由自在に下顎を後退させるわけにはいきません。

噛み合わせが正常な患者様、すなわち正常咬合(AngleⅠ級)に行える下顎後退移動量は通常4~6mm程度です。実際には5mm後退したとしたら非常に大きな小顔効果が得られます。一方、上の歯より下の歯が前に出ている反対咬合(受け口)の患者様では、10~15mm後退させることもあります。

後退量のカギとなるのは、臼歯部(奥歯)での噛みあわせということになります。第一、第二大臼歯で、歯一本分以上の移動は術後の噛みあわせはかなり不都合が出るでしょう。手術後の切歯、犬歯など前歯の噛み合わせ状況次第では、手術後に歯科矯正を行うこともあります。また上顎の前歯部歯槽骨切り術を併用することもあります。手術前に咬合模型をつくってシミュレーション(モデルサージェリー)できますので、手術前から相談させていただきます。

下顎骨後方移動術Mandibular set backの問題点

歯科治療に関して

このような夢のような小顔手術があるのになぜ広く普及しないのでしょうか?一つには技術的に難しい手術法です。また手術後にやりっぱなしというわけにはいかなく、咬合調整などの歯科的治療が必要になります。
それは下顎を後方に移動する際に、下顎の歯がすべて後方に移動するために上下の歯の噛み合わせが変化してしまうことによります。

本来は反対咬合(受け口)に行う下顎枝垂直骨切り術(IVRO)を、正常な咬み合わせの人に行った場合には、相対的に上顎の歯が突出してしまいます。すなわち術後の噛み合わせは術前より悪くなることになります(AngleⅠ級からⅡ級に変化)。

正常咬合の患者様に対してIVROを行いますと、下顎の歯が全体に後方に移動するため、そのままでは上下の歯がうまく噛みあわなくなります。そこで本術式を適応する場合には、手術前に咬合のチェックを行ったうえで、咬み合わせの対策を練っておく必要があります。

術前の患者様の歯の状態は、矯正歯科医、審美歯科医による精密なチェックを行います。小顔を目的に本手術を行う場合には、臼歯の噛み合わせでは、1級が2級になるということです。前歯を見ますと、下顎前歯に対して上顎前歯が相対的に突出することになります。

手術前に咬合には問題がない患者様では術後に噛み合わせが悪くなるために、歯科矯正治療、審美歯科治療を検討します。患者様の希望により歯科矯正を始める場合には、通常1年半~2年程度を要しますので、エラ、オトガイ手術のように術後に特別なアフターケアを要しない手術とは異なります。

矯正治療に通うことが難しい方の場合には、セラミックなどを使用した審美歯科治療による噛み合わせの改善も考えらます。特に補綴物が多い(自分の歯があまりない)患者様の場合には、審美歯科的な補綴の手直しで良好な咬合が得られる可能性が高くなります。術前に厳密な咬合検査を行って、術後歯科治療の可能性を判断させていただきます。

一方で、八重歯、乱杭歯(デコボコ)などで、手術で下顎骨を後退させると術後に上下の歯がほとんど噛みあわない、なんてこともないわけではありません。その場合には、手術中にある程度の歯の削合ないし抜歯などの処置が必要になります。これら咬合の問題がクリアにさえなれば、下顎枝垂直骨切り術(IVRO)は小顔になるためには効果絶大な手術方法となります。

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