顎矯正手術 顔面非対称上下顎非対称
総論
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顔面非対称の原因が、上・下顎に及ぶものを、上下顎非対称または両顎非対称と呼びます。この場合には上顎咬合平面の左右傾斜が見られます。このような症例に対して、下顎骨に対する手術だけを行った場合には、上顎骨の歪みが改善されないため、術後にはその歪みの程度の応じた顔面の非対称が残存します。
したがって上顎骨にまで変形が及んで、咬合平面の左右傾斜をきたしている重度の顔面非対称症例に対しては、咬合平面の修正を最優先に考える必要があります。
治療法
Two Jaw Surgery(上下顎同時手術)
上顎LeFortI型骨切り術(前歯部歯槽骨切り術)+下顎枝矢状分割術(SSRO)or下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
を基本とします。
Two-Jaw Surgeryの適応症
- 非対称が下顎骨にのみ限局している場合であっても、上顎骨に前後的あるいは垂直的な問題点が存在し、重度の症例。
- 非対称が下顎骨だけでなく、上顎の歯列および根尖歯槽部正中線の左右偏位が大きく、Arch Length Discrepancy等の制約により、下顎骨に対するOne-Jaw Surgeryや矯正治療では修正が不可能な症例。
- 上顎咬合平面の左右傾斜が著しく、矯正治療単独による修正がきわめて困難と判断される症例。具体的には瞳孔から咬合平面への距離の左右差が3mm以上で、しかもSmiling Lineの観察時に、上唇に対する上顎歯冠部の露出度に明らかな左右差が認められる場合。
手術に際して留意すべき点として、予定している上・下顎の異動により、顔面の輪郭非対称が、十分に改善されるかどうか?
3次元シミュレーションで確認する必要があります。
術前に正面セファロにより、下顎角の位置の市中に対する左右差を計測します。3次元実体模型により上下顎の移動をシミュレーションして、これが改善されるかどうかを確認します。
顔面非対称
上下顎非対称
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