顔面輪郭形成術 オトガイ(あご)・顎削り延長(顎を長くする)
検査項目
1. CT
3次元実体模型をつくるためのデータを、CT撮影データから抽出します。
2. 3次元実体模型
術前の顔面計測データと3次元模型からデザインは決定されます。
骨切り、骨片移動後の両端の段差処理が重要です。
オトガイ神経孔から外側で、下歯槽神経がもっとも低位を走行する部位を確認する必要があります。
骨切り後の両端の段差を解消するためには、この神経走行の位置が鍵を握ります。
その他の術前検査
オトガイの骨切り手術は全身麻酔で行われます。
安全に麻酔がかけられるように、手術前に検査が必要になります。
血液検査
貧血や出血傾向の有無、肝臓や腎臓機能、血糖値、感染症の有無などを調べ、全身麻酔や手術に耐えられるかどうかを調べます。
検査項目
TP GOT GPT γ-GTP CPK 血Amy T-cho TG GLU BUN Na Cl K WBC RBC Hb Ht PLT MCV MCH MCHC PT PT-INR PT-%血液型 Rh血液型 HBs抗原 HBs抗体 HCV抗体 TP抗体 HIV抗原抗体
貧血、肝機能、腎機能検査、血糖、電解質検査、血液凝固機能検査、感染症検査(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV)、血液型(ABO,Rh)不規則抗体、など、麻酔、手術等を安全に実行するための条件に関わるものや、輸血を行う場合の準備、院内感染予防・リスク評価のための検査を行います。
心電図(ECG)
不整脈の有無や種類、心筋虚血(しんきんきょけつ)、心臓肥大、心筋炎などの可能性がわかります。術前検査の一つとして手術を予定されている患者さんの心臓に問題がないかを確認するために行います。
胸部X-P
胸部にある臓器(主に肺・心臓・大動脈など)、つまり呼吸器と循環器に異常がないかを調べる検査です。胸部全体にX線を照射して平面撮影し、肺に異常な影がないか、心臓の形に異常がないかを調べ手術や麻酔が安全に出来るかどうかを評価します。
血圧測定
術中術後の血圧上昇は出血のリスクを高くするため,周術期管理において安定した血圧を維持することが重要となります。また異常の早期発見や適切な全身状態の管理を行うことを目的とします。
身長・体重
麻酔をかけるための計算を目的とします。
体重から麻酔薬剤などの計算をし、身長から挿管に使う管の長さや、胃に入れる管の長さを想定します。
術前の評価
横顔
顎の突出度合いを評価する際、鼻尖と口唇との関係ではRikettsのE-lineが一般に知られています。ひとつの基準として参考にはなりますが、鼻尖の高さ、口唇の突出度によってオトガイ先端の位置が大きく変わってしまいます。例えば、鼻が低く、口元が出ている人では、E-ラインに照らし合わせると、アゴ先は思いっきり前に出てしまします。これはおかしい話ですね。
その意味ではEラインはあくまで参考の一つとしてください。
私は手術前に横顔を写真を撮らせていただき、コンピュータでシミュレーションを行っています。患者様にも大変わかりやすいと好評です。
正面顔
オトガイの理想的な長さに関しては、鼻下点からオトガイ下端までの長さが女性では70mm(男性では75mm)を平均とし、下口唇(赤唇)下端~オトガイ下端まで女性で35㎜、男性では38㎜を理想値として骨切りデザインを決定しています。
オトガイ幅径は左右光彩内側縁間から左右鼻翼間幅径の間であることが望ましいとされています。女性であればオトガイ両端に角がない(まろやか)のが好まれます。
術前検査として、CTを撮影します。3次元的な骨、軟部組織形態を把握することができます。
さらに手術に際して最も重要なことはオトガイ神経、下歯槽神経の走行を精密に把握することです。そのために3次元実体骨模型を作成します。